睡眠の質を上げるには、昼間をいかに充実させるかが大切だ、という話をどこかで聞いたことがある。
最初は少し意外に感じたけれど、あらためて考えてみると、思い当たることも多い。
夜になって眠れないとき、問題は寝室や布団にあるように思える。
けれど実際には、頭がうまく休まっていないだけの場合も少なくない。
昼間に感じきれなかった感情や、処理しきれなかった出来事が、静かな時間にまとめて顔を出す。
昼間を充実させるというのは予定を詰め込むことではなく、集中する時間とゆるむ時間が、きちんと分かれている状態に近い。
やるべきことに向き合い、終わったら切り替える。
そのリズムがあると、心身は一日をひとつの区切りとして受け取りやすくなる。
身体を使うことも、大切な要素だ。
軽く歩く、外の光を浴びる、呼吸が深くなる瞬間をつくる。
そうした小さな刺激が、夜に向けて自然な疲労をつくっていく。
疲れ切るほどでなく、使われた感覚が、ほんのり残るくらいでいい。
眠りは、夜だけで完結するものではない。
昼間の過ごし方が、そのまま夜へと引き継がれていく。
よく眠るために一日を整える、という考え方は、生活全体を見直すための静かなヒントなのかもしれない。

SASA
アート、音楽、ファッションを愛するmellowエディター(34歳♀)。日常の中にある「小さな気づき」をすくい上げ、今日をほんの少しやわらかく。



